インプラントは痛い?痛みの程度や対処法のポイントを解説
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						歯を失った際の治療法としてインプラントを検討する際に、「インプラントの治療って痛いの?」「どの程度痛みがあるの?」など、気になっている方も多いのではないでしょうか。
						
						この記事では、インプラント治療は痛いのか、どのタイミングで痛みがあるのか、どうすれば痛みを少しでも抑えられるのか、その対処法やポイントについて詳しく解説します。
						インプラント治療を受ける際の参考にしてください。
					
この記事の監修医師
 
								本荘 真也 歯科医師
- 監修
									鳥取県にある本荘歯科クリニックの院長をつとめています。
									日本大学歯学部卒業後、浅賀歯科医院(埼玉県越谷市)副院長を経て2020年10月本荘歯科クリニックを開院しました。
									30年以上の歴史を持つ本荘歯科医院のあとを引き継ぐかたちで開院した同クリニックでは、赤ちゃんからお年寄りまで生涯にわたって通えるクリニックを目指しています。
									また、全国でもまだ導入例の少ない歯科用機器や歯科技術も取り入れた診療を鳥取市内で行っています。
								
インプラントは痛い?
 
							 
						
								インプラントが痛いと感じるタイミングは、主に治療中と治療後と言われています。インプラント治療は外科手術のため麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。
								
								ただし、手術内容や麻酔の効き具合によっては痛みを感じることもあるでしょう。歯茎を切開・縫合したり、骨に穴をあけるケースや骨造成の手術が必要なケースでは、術後に痛みを感じる可能性があります。
								
								手術中の痛みは麻酔でほとんどなくなるため、痛みが生じるタイミングは麻酔が切れた後だと思ってよいでしょう。								
							
インプラント治療中に痛いと感じるタイミングとは
 
							 
						
								インプラント治療中にどのようなタイミングで痛いと感じやすいのでしょうか。
								インプラント治療は、段階ごとに痛みの種類や痛む理由が異なります。適切な対処をすることで、痛みを軽減させることが可能です。では実際に、どのような時に痛みを感じるのか見ていきましょう。								
							
手術中に痛いと感じる
									手術は麻酔を使用して行われるため、基本的にはインプラント手術中に痛いと感じるのは麻酔の痛みだけです。注射をする前に歯茎の表面に麻酔をすることもあるため、注射の痛み自体も最小限に抑えられるでしょう。
									
									しかし、麻酔の効き具合には個人差があります。麻酔が効きにくく手術中に痛いと感じた場合は、遠慮なく医師に伝えましょう。途中で麻酔を追加してもらえるため、痛みを軽減できます。									
								
手術後に痛いと感じる
									インプラント治療で主に痛いと感じるタイミングは、手術が終わり麻酔が切れた後です。インプラント治療では、歯茎を切開したり骨造成手術をするなどの治療が行われます。そのため、麻酔が切れた後は歯茎の腫れや痛みを感じることがあります。
									
									基本的には一般的な抜歯後と変わらない程度の痛みであり、激痛を伴うことはありません。
									痛いと感じる期間も、2、3日〜1週間程度で治まることがほとんどです。その間に痛みが強い場合は、処方された痛み止めを服用すれば治まるケースがほとんどです。									
								
抜糸後に痛いと感じる
									切開した歯茎を糸で縫合するため、インプラント手術後は抜糸をします。その際に痛いと感じることがあります。
									
									抜糸後は、患部を触ったり強く押さえると軽い痛みを生じる可能性もありますが、ほとんどの場合は我慢できる程度の痛みです。しかし、痛みに敏感な人は麻酔をしてから抜糸することも可能です。不安が強い場合は医師に相談してみることをおすすめします。									
								
治療中の痛みを抑える麻酔の種類
 
							 
						前述の通り、インプラントは外科手術のため、麻酔を使用します。ここでは、インプラントの治療中に使われる麻酔の種類を紹介します。様々な麻酔があるということを知っておくと、痛みに対する不安も軽くなるのではないでしょうか。
局所麻酔
									インプラントの治療においては、一般的に局所麻酔が使用されます。患部のみに麻酔が効いていて、意識ははっきりしているため音や会話などは聞こえている状態です。
									
									また、歯茎に直接注射針を刺して麻酔液を注入するため、麻酔時に痛みが生じる場合もあり、それを抑えるために表面麻酔を併用することがあります。
									局所麻酔は、患部の痛みは軽減されますが、治療中の音や医師の話し声が聞こえるため緊張や不安・恐怖を感じる人もいるでしょう。									
								
静脈内鎮静法
									局所麻酔では不安が解消できない人には静脈内鎮静法がおすすめです。全身麻酔に近く、ウトウトした状態で手術を行います。意識はある状態ですが、眠っているような感覚で手術が行われるため、緊張や不安が軽減できます。
									
									特に痛みに敏感な人や不安が強い人、麻酔で気分が悪くなった経験のある人などは、こちらの静脈内鎮静法を使用しての治療がおすすめです。専門の麻酔医による管理のもと行われるため、不安なく治療を受けられます。
								
インプラント治療後に痛いと感じるおもな原因
 
							 
						
								手術後の痛みは、長くても1〜2週間以内で治まることがほとんどです。痛みが続く場合には、ほかの要因も重なっている可能性があります。
								ここでは、インプラントの治療後に痛いと感じる主な原因をまとめました。								
							
細菌感染
									インプラントを埋めた患部が細菌感染を起こしている場合は痛みを感じることがあります。口腔内の細菌によって患部が感染を起こす可能性があり、術後は口内を清潔に保つよう注意する必要があります。
									
									インプラント治療後に起きやすい細菌感染のトラブルとして、「インプラント周囲炎」にも注意しなければなりません。万が一細菌感染を起こしてしまっても、軽度なうちに治療すれば大きな心配はいらないでしょう。術後はこまめにうがいや歯磨きを心がけ、痛みや異変があったらすぐに医師に相談することをおすすめします。						
								
食事
食事内容も痛みを感じる原因となる場合があります。たとえば、硬いものを食べる、酸味のあるものや刺激物を摂るなどは治療直後は避けた方がよいでしょう。傷口や粘膜への刺激は痛みが生じる原因となります。
生活習慣
									生活習慣によって痛みやトラブルが発生する恐れもあります。特に飲酒や喫煙、激しい運動など、血流が促進される行動は痛みの原因となるでしょう。傷口の治りが遅くなることで痛みが長引く恐れもあるため、インプラント治療後の飲酒や喫煙は控えることをおすすめします。
									
									また、激しい運動も回復を妨げ痛みの原因となるため、術後しばらくは運動を控えて安静にしましょう。										
								
注意したい!インプラント周囲炎とは
 
							 
						
								インプラント治療後のトラブルとして注意したい症状が、「インプラント周囲炎」です。ひどくなると再手術が必要となる場合もあります。
								
								術後数年や10年以上が経過していても起きることがあるので注意が必要です。以下では、どのような症状が出るのか、治療法についても解説します。								
							
軽度症状
									最初はインプラントの患部周辺に腫れや赤みが出る程度です。粘膜に炎症が起きるため、歯茎に痛みが生じて出血することもあります。
									
									この段階であれば、まだ骨やインプラント自体に影響はないため、インプラント歯周ポケットの掃除やクリーニングによる対処が可能です。
									インプラント周辺の歯茎に腫れや痛みを感じたり出血する場合は、早めに歯科医院に行くことをおすすめします。									
								
中〜重度症状
									軽度なうちに適切な対処ができず中度から重度の症状になると、炎症と強い痛みが起こります。インプラント歯周ポケットの掃除だけではなく歯石除去も必要です。また、炎症を抑えるために抗生物質の服用も必要になるでしょう。
									
									歯石の状況によっては歯肉切開が必要なケースもあります。その場合、抗生物質だけではなく歯肉に直接薬を注入することになり、治療に時間や費用がかかるため早期の受診がおすすめです。
								
再手術が必要な症状
									すでにインプラントを支える骨が溶けてしまい、インプラントが不安定に動く状態になると再手術が必要です。一度インプラントを除去して、患部を丁寧に洗浄・殺菌しなければなりません。骨が溶けていても痛みを感じないこともあるため、痛みがなくてもぐらつきを感じるようであればすぐに歯科を受診しましょう。
									
									患部の治療後に再手術を行うかどうかは、状態や年齢なども考慮して検討します。再手術となると、身体的にも費用の負担も大きくなるでしょう。インプラント周囲炎は日頃のメンテナンスで予防できる症状です。治療後は適切なメンテナンスを心がけましょう。
								
痛みを悪化させないためのポイント
 
							 
						
								手術後に麻酔が切れてから数日間は、痛みを感じることがあります。その場合、痛みを悪化させないために注意したいポイントがあります。
								
								以下のポイントを意識して、術後の痛みを悪化させないよう注意しましょう。															
							
患部を避けた歯磨き
									口腔内を清潔に保つために歯磨きは大切です。しかし、手術後しばらくは歯磨きの仕方に注意する必要があります。
									
									傷口に歯ブラシが当たらないよう患部を避けて歯磨きをし、歯磨き粉は使わない方がよいでしょう。軽く口をゆすぐ程度にうがいをし、患部を傷つけないように気を付けます。傷口を早く回復させるためには衛生に気を遣いますが、刺激を与えないよう注意しましょう。									
								
飲酒・喫煙を控える
									飲酒や喫煙は、口腔内の粘膜に悪影響を及ぼして痛みを悪化させる恐れがあります。アルコールには血管を拡張させる作用があり、喫煙によるニコチンの摂取は血管を収縮させるため免疫力の低下にもつながります。
									
									傷の治りが遅くなり痛みを悪化させるほか、感染症やインプラント周囲炎を引き起こしやすくなるため、手術後の飲酒・喫煙は控えましょう。									
								
激しい運動を控える
									術後数日間は、激しい運動を控えましょう。運動で体が温まることによって、血流がよくなり痛みも悪化しやすくなるためです。
									また、血流が活発になると出血が止まりにくくなる恐れもあります。運動によって体が疲れると、傷の治りも遅くなるため、術後はなるべく安静に過ごすことを心がけましょう。									
								
刺激物は避ける
									辛みや酸味の強い刺激物は避けた方がよいでしょう。傷口が治っていないうちに刺激物や硬いものを食べると、痛みや出血を引き起こす可能性があります。
									インプラント治療後は患部に近い場所で噛むことは避け、なるべく柔らかくて刺激の少ないものを食べるようにしましょう。おかゆやうどん、ゼリーなどがおすすめです。									
								
痛みが出た場合の対処法
 
							 
						上記のポイントに注意していても、術後2〜3日間はどうしても痛みが出ることもあります。その場合に、少しでも痛みを和らげるための対処法を紹介します。
痛み止めを服用する
									インプラントの手術を受けた後は、痛み止めが処方されます。麻酔が切れた後に痛みが出てきたら、処方された痛み止めを服用すれば治まることがほとんどです。
									
									基本的には痛み止めの服用で緩和される程度の痛みですが、効かないほど激しい痛みがある場合は、感染症を引き起こしている可能性もあるため医師に相談しましょう。
									また、数日経っても痛みが引かない場合、インプラント周囲炎の可能性があるため、注意が必要です。									
								
患部を冷やす
									手術直後は患部が炎症を起こして痛みが生じているため、炎症部分を冷やすことが大切です。温まって血行が促進されると痛みが増すため、安静にして痛む箇所を冷やしましょう。一時的に腫れや痛みを抑えることが可能です。
									
									ただし、冷やしすぎると逆に治癒を悪化させてしまうため、患部に氷を直接当てることは避け、濡らしたタオルや市販の冷却シートを頬に当てる程度にしましょう。															
								
インプラント治療の痛みに関するよくある質問
 
							 
						
								最後に、インプラント治療の痛みに関してよく寄せられる質問に回答します。
								インプラントを検討しているが、痛みに不安がある方はぜひ参考にしてください。																				
							
インプラント治療の痛みはいつまで続きますか?
									一般的には術後2〜3日で治まることがほとんどです。長くても10日程度で痛みは解消します。また、痛みの程度も処方された痛み止めで緩和される程度のため、極度に不安を感じることはありません。
									
									ただし、飲酒や喫煙、激しい運動をした場合は痛みが長引くこともあります。細菌感染を起こしている場合も、強い痛みが長引くため注意が必要です。									
								
インプラント治療後に食事をしても大丈夫ですか?
									インプラント治療後、食事はできますが内容や食べ方には注意が必要です。硬いものや刺激物は痛みや出血を起こす恐れがあるため避けなければなりません。また、傷口があるため患部で噛まないよう気を付けて食事をしましょう。
									しばらくの間は、あまり噛まなくても食べられる柔らかいものがおすすめです。									
								
痛み止めを飲んでも効かない場合はどうしたらよいですか?
									基本的には、インプラント治療後の痛みは痛み止めを飲めば緩和されます。しかし、効きづらい場合や痛みが治まらない場合は、自己判断で服用量を増やさず治療した歯科医院へ相談してください。
									
									痛み止めが効かない場合や数週間経っても痛みが引かない時は、細菌感染の可能性もあるため注意が必要です。																		
								
									※出典
									歯科インプラント治療のためのQ&A|厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」
									https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf(参照:2024年11月24日)
								
まとめ
 
							 
						
								インプラント治療は外科手術を伴うため、強い痛みがあるのではないかと不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
								
								しかし、手術中は麻酔が効いているため痛みを感じることはほとんどありません。痛みが出るタイミングは術後麻酔が切れてから数日間です。その際も処方された痛み止めを服用したり、安静にすることで痛みは緩和できます。
								
								不安に感じる場合は、全身麻酔に近い麻酔方法も選択できるため、遠慮なく医師に相談しましょう。								
							

 
							 
							 
						 
							 
						 
							 
						 
							 
						 
							 
							 
						 
							 
							 
						 
							